「辛い」について

 深夜にのどが渇いたので適当なカップ春雨スープを作ったら辛いやつで、結局自販機でコーヒーを買いクーラーまでつけるハメになったかもめです。辛いものは苦手では無いんですが、食べると結構汗をかくのでそれが苦手です。

 辛いものといえば、「辛い」っていう感覚、めちゃくちゃ種類が豊富ですよね。さきほど僕の喉を潤すことなく口内に辛さを残していった「唐辛子の辛さ」、幼少の僕が大好物の海老の寿司を頬張ったら予想外に鼻を襲った「わさびの辛さ」、世間では塩とセットでアクセントや下味に良いとされ、僕の料理には好みで大量に投下される「胡椒の辛さ」。

 味覚ではなく正確には痛覚っていうのも関係しているのかもしれませんが、この三種だけ想像してもだいぶ感覚として違いますよね。作用してる成分とかも違うらしいです。これらを一緒くたに「辛い」って言ってしまうの割と抵抗があって、それぞれ表す言葉が欲しいと感じるのです。

 そこで調べたところ、中国では辛さを「麻」と「辣」に分けるそうです。

 「麻」は胡椒や山椒の辛さ……「麻酔」「麻痺」なんて言葉と同じと考えれば、なるほど納得。麻雀はピリッとした雀ですね。違います。英語ではspicy。ファミマのスパイシーチキンはファミチキより美味しいと思います。

 「辣」は唐辛子や獅子唐の辛さです。獅子唐ってアタリとハズレが激しくて、辛いのは唐辛子も鼻で笑う勢いで辛いのですが、全員緑色で「ただの細いピーマンだよ!」みたいな顔してます。性格悪そう。英語ではhot。身体を温めるには辛いものを食べろなんて言う人が居ますが、汗をかくのでむしろ冷えます。生姜湯飲んどけ。

 中国ではわさびは食さないからか、わさびの辛さを表す言葉はありません。英語にもありません。なんならwasabyで伝わるらしい。それじゃあ日本語は、というと、無いんですねこれが。何してんだ日本人。強いて言うなら「ツーン」の表現を辛さで使うのはわさびくらいですけど。あとは「鼻に抜ける」とかでしょうか。

 わさびを鼻に抜けさせずに食べる方法もあるらしいですが、それは果たしてわさびを食べる必要があるのか?と、鼻息荒く小鼻を膨らませています。